腸活よりも先にやるべき“口活”とは? ~健康は“入り口”から始まる~

  • 2025.10.01
  • カラダの不調を整えたい
  • 健康寿命を伸ばしたい

はじめに:腸活ブームの落とし穴

こんにちは、歯科医師の会田です!

「発酵食品を食べて、腸内環境を整えよう」「腸は第二の脳」。
こうした言葉を耳にする機会が増えたように、腸活は今や健康づくりの常識となりつつあります。

腸内細菌(腸内フローラ)のバランスが、免疫力やメンタルヘルス、美肌や肥満予防に影響するとされ、多くの人が納豆、ヨーグルト、食物繊維などを積極的に摂るようになっています。

しかし、ここで忘れてはいけない事実があります。

それは、消化管は「腸より先に、口がある」ということ。

私たちが食べたものは、まず「口」に入ります。どんなに身体に良い食品を摂っても、「口の中の状態」が悪ければ、その栄養はうまく消化吸収されません。
さらに、口腔内の悪玉菌が腸にまで届き、腸内環境を乱すリスクがあることも、近年の研究で明らかになってきました。

そこで注目されているのが、**“口活”**です。
このコラムでは、腸活よりも先に取り組むべき健康習慣としての「口活」の重要性をわかりやすく解説していきます。

 

1.「口は健康の入り口」~なぜ口活が重要なのか~

口は消化器官のスタート地点であり、食べ物や飲み物、さらには空気までが出入りする、身体と外界をつなぐ「玄関口」です。

口腔内には700種類以上・数百億個もの細菌が存在しており、これは口腔内フローラとも呼ばれます。
この口腔内フローラが、善玉菌・悪玉菌・日和見菌のバランスで保たれていると、口の中は健康的な状態を維持できます。

ところが――

  • 歯磨きが不十分
  • 糖質中心の食生活
  • 喫煙やストレス
  • 唾液の減少(加齢やドライマウス)

といった要因で、悪玉菌が優勢になってしまうことがあります。

代表的な悪玉菌が、「歯周病菌」や「カンジダ菌」です。これらの菌が増えることで、虫歯や歯周病だけでなく、全身疾患のリスクも高まることがわかっています。

 

2. 口腔内細菌が腸内フローラを乱す?

近年の研究では、口の中で増えた悪玉菌が、唾液や食事とともに腸に運ばれ、腸内細菌のバランスを乱すという事実が明らかになってきました。

とくに、以下のようなリスクが指摘されています。

  • 歯周病菌と腸内の炎症の関連性
  • 歯周病菌とカンジダ菌が腸内で悪玉菌の温床になる
  • 口腔常在菌の一部が腸内細菌叢に悪影響を与える

つまり、腸活を頑張って発酵食品やサプリを摂っても、口の中が悪玉菌だらけでは、腸まで汚染されてしまう可能性があるのです。

口は、腸内細菌環境の前哨戦
腸活を成功させたい人ほど、まずは口活に取り組むべきだといえるでしょう。

 

3. 口活の2本柱:①細菌コントロール

「口活」というと、歯磨きやデンタルケアを連想するかもしれませんが、それだけではありません。

まず一つ目の柱は、「口腔内の細菌コントロール」です。

◆毎日のケアで善玉菌を増やす

  • 正しい歯磨き:ただ磨くだけでなく、**磨き残しチェック(染め出し)**が効果的。
  • 歯間ブラシ・フロスの使用:歯ブラシだけでは届かない場所のケアが必須。
  • 舌ブラシの活用:舌苔の除去も細菌コントロールの要です。

◆生活習慣の見直しも重要

  • 糖の多い食生活はカンジダ菌の温床
  • 喫煙は唾液減少・細菌バランス崩壊を招く
  • ストレスも口内環境に影響する

特にカンジダ菌は腸内に流れ込むとエサである糖を欲するため、脳に糖を摂取したくなるように仕向けるメッセージを送ります。

◆定期的な専門チェック

  • 歯科医院でのプラークコントロール指導
  • 1年に一回の口腔内フローラ検査
  • 36ヶ月ごとのPMTC(プロによるクリーニング)

 

4. 口活の2本柱:②咀嚼機能の回復と維持

もう一つの柱が、「しっかり噛む力(咀嚼機能)」を保つことです。

咀嚼には、次のような全身への効果があります。

  • 唾液の分泌促進:抗菌・消化・自浄作用
  • 脳の血流促進:認知症予防・集中力アップ
  • 満腹中枢の刺激:肥満・生活習慣病の予防

噛めないと健康が崩れる

  • 虫歯・歯周病による歯の欠損
  • 合わない入れ歯や不十分な補綴物
  • 噛み合わせの異常で一部の歯に過剰な負担

噛む力が弱まると、消化不良や栄養吸収の低下に直結し、免疫機能や代謝も下がります。

つまり、よく噛める口をつくることが、腸内環境を整えるための土台になるのです。

 

5. かみ合わせの乱れと虫歯・腸内への影響

見落とされがちな視点として、「かみ合わせの不調和」も口腔環境・腸内環境の乱れに関与しています。

◆かみ合わせのズレが引き起こす問題

  • 一部の歯に過剰な負担 歯のすり減り・破折・虫歯リスク
  • しっかり噛めない 唾液分泌減少・消化機能低下
  • 顎関節や姿勢への影響 慢性疲労・不定愁訴につながる

噛み合わせのチェック・調整は、見た目の美しさだけでなく、歯の寿命や腸内環境の健康維持にもつながる重要なケアです。

 

6. すべては「フローラのバランス」がカギ

口腔内フローラと腸内フローラは、単独で機能しているわけではありません。

両者はつながっているのです。

  • 口腔内で悪玉菌が増えれば、そのまま腸へ流れ込む
  • 腸の炎症は、再び口内の炎症(歯肉炎など)へ影響する
  • 両方のフローラが乱れれば、免疫やメンタルにも波及する

だからこそ、「腸活の前に口活」が必要なのです。

 

7. 今日からできる口活チェックリスト

123回、丁寧な歯磨きができている
フロスや歯間ブラシを使用している
舌ブラシで舌苔を清掃している
定期的に歯科でクリーニングを受けている
歯を失っていない、よく噛める
噛み合わせに違和感がない
食事をゆっくり噛んでいる
甘い物やジュースを控えている
よく笑い・話し・唾液が出ている

ひとつでも「いいえ」がある方は、ぜひ口活を意識した生活を始めてみましょう。

 

8. おわりに:健康の入口を整えよう

腸活がブームになる以前に、私たちは「入り口」であるの大切さを見直すべきです。

口腔内フローラを整え、噛む力を取り戻し、正しい生活習慣を身につけることで、自然と腸内環境も整っていきます。

あなたの腸活、実は口活から始まっています。

まずは口を整えること。それが、全身の健康への第一歩です。

 

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こちらは口の中の悪玉菌の中から、虫歯菌・歯周病菌をはじめとする5種類の「全身に影響を与える菌」の量をはかり、自分にあった予防方法や、予防処置がうまくいってるかどうかを判断する検査です。

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