全身の健康を左右する「口腔内細菌」とは

  • 2022.09.08
  • カラダの不調を整えたい

歯の模型を抱える女性の画像|全身の健康を左右する「口腔内細菌」とは|歯科医師会田の噛み合わせメディア-カムシル

病気の予防には「菌」の上手なバランスコントロールが有効

科学の進歩によって、ヒトと、ヒトに住み着く常在細菌の関係が明らかになりました。

私たちを取り巻く常在細菌はおよそ1,000兆匹いると言われており、ヒトの体を構成しているすべての細胞の数より、はるかに多いのです。研究が進んだことで、今では「ヒトと常在細菌を合わせて1つの生命体とみなすことができる」という考えが徐々に主流になりつつあります。

ヒトの細菌数で特に多いのは口と腸であり、どのような菌がどれくらいいるのかは人によって異なり、この世に1人として同じものはありません。そして細菌のバランスにより、ある種の病気や不調が引き起こされることがわかっています。例えば、口の中の代表的な病気である虫歯も「虫歯菌がいるだけ」では発症せず、「バランスがくずれて虫歯菌が増殖し、活動が抑えられなくなる」ことで発症します。

また、植物由来の乳酸菌として有名なプランタラム菌(正確にはその中のある株)は、虫歯に関わる菌の増殖を抑えつつ、自然免疫力を高めてくれることがわかっています。

つまり、菌のバランスを上手にコントロールできれば、人間が本来持ち合わせている免疫力や抵抗力を取り戻すことができて、病気の予防に有効なのです。

「歯科医師会田の噛み合わせメディア〜カムシル〜」内でも何度かご説明していますが、私は全身の健康に影響する口の中の問題を、主に下記の4つに分類しています。

歯並び・噛み合わせの問題と口呼吸
自覚症状のない歯周組織の炎症
口腔内細菌のバランス
歯科金属材料

今回はこの中の「口腔内細菌のバランス」についてお話ししていきます。

なお、4つ全体の解説については下記をご覧ください。
歯科と全身|歯科医師会田の噛み合わせメディア〜カムシル〜

 

全身の健康を左右する「口腔内細菌」とは?

冒頭で「私たちを取り巻く常在細菌はおよそ1,000兆匹いる」とお話ししましたが、その細菌の大部分は、消化管に存在しています。

その中でも腸内細菌叢(さいきんそう/細菌の集団)が多様な疾患に関係することが明らかになり、注目を浴びてきました。皆さんも「腸活」や「乳酸菌」といった言葉はなじみがあるのではないでしょうか。

一方、口腔内細菌については、今までは口腔の健康状態に関わらず、唾液とともに飲み込まれても、胃液や胆汁酸によって死滅して腸まで届くことは稀だと思われてきました。

ところが科学の解析技術が進歩し、腸内細菌中における口腔内細菌の存在が明らかになり、さまざまな疾患において直接的に関与していること、全身の健康に関わることがわかってきました。

 

口腔内細菌の直接的作用・間接的作用

口腔内は湿度が一定で湿潤している、十分な栄養供給がある、歯の表面が直接露出しているなど、ヒトの体の中でも細菌増殖に最適な場所です。

ヒト口腔マイクロバイオームデータベースによると、口腔内には1,200種近くの細菌がいて、腸管のマイクロバイオーム(微生物の集団)よりも多様性に富むと言われています。

口腔内細菌の直接的作用

虫歯菌や歯周病菌が、糖尿病や動脈硬化と関連していることはよく知られています。

そのメカニズムは「口腔内細菌の直接的作用」として説明されてきました。虫歯や歯周病によって歯周炎が起こり、血液内に細菌が侵入し、全身に移行して糖尿病や動脈硬化が引き起こされるという説です。

歯周病の歯の図解|「噛み合わせ」と「歯周病」の意外な関係|歯科医師会田の噛み合わせメディア-カムシル

 

口腔内細菌の間接的作用

最近の研究で新たなメカニズムとして注目されているのは、「口腔内細菌の間接的作用」です。口腔内細菌が唾液とともに飲み込まれ、腸内細菌叢を変化させて、結果として全身の健康に影響を与えているという説です。

これまでは、腸内細菌による外来病原菌の定着・増殖を抑制する機能や、胃液・胆汁酸などのバリア機能によって、口腔内細菌は腸内までほとんど到達できないと考えられてきました。

口腔細菌と腸内細菌叢と疾患の関係|「お口の問題」と「身体の不調や病気」はつながっている!?|歯科医師会田の噛み合わせメディア-カムシル

しかし研究の結果、遺伝的要因、腸管炎症、抗生剤や腸内細菌に関する薬剤の服用によって、外来病原菌の定着抵抗性が弱くなることがわかりました。また、薬剤の服用によって胃液のバリアや胆汁酸の分泌に低下が見られたり、腸管炎症の影響で嚥下された口腔細菌の到達数が多かったりすると、口腔内細菌が腸内細菌叢に定着することがわかってきました。

さらにそういった原因がなくとも、腸内細菌叢から口腔内細菌が検出されたという報告の頻度が上がり、口腔内細菌の腸への定着、移行は平常時でも起こっていると考えられる状況になってきました。

歯周炎がある方の唾液の細菌叢のバランスは、健康なお口の方に比べると特に異なっています。歯周ポケットで増殖している歯周病原細菌はかなりの割合になっているので、全身の健康への影響は見過ごせません。

実際に歯周病菌をラットに飲ませる実験では、ラットの腸内環境を悪い方向へ変えてしまうことが示されました。

また、腸内細菌叢の乱れが歯周炎につながるとの報告もあります。さまざまな菌が相互に作用し合う結果、外敵から人間を守ってくれる反面、ときには病気の引き金にもなっているのです。

口腔細菌関連疾患と腸内細菌関連疾患の比較イラスト|全身の健康を左右する「口腔内細菌」とは|歯科医師会田の噛み合わせメディア-カムシル

これまで関与が指摘されてきた糖尿病や動脈硬化だけでなく、結腸直腸がんや関節リウマチ、肝硬変、炎症性腸疾患の患者は、腸内細菌叢に占める口腔細菌の比率が上昇しているとの報告が相次いでおり、今後、研究が進むことでさらに因果関係が明らかになると期待されています。

詳しくはこちらの記事もご参照ください。
「噛み合わせ」と「歯周病」の密接な関係|歯科医師会田の噛み合わせメディア〜カムシル〜

参照:「実験医学2021年10月号Vol.39 No.16 口腔細菌草叢」|実験医学online

 

口腔内細菌のバランス獲得は10歳頃までがカギ

口腔内細菌叢の構成は、乳幼児期はシンプルですが、生涯を通じて新たな菌の獲得・定着を繰り返して複雑になっていきます。出生から小学生(10歳くらい)までの間に大きく変動し、その後の口腔内細菌叢は比較的安定していると考えられています。

つまり10歳頃までの間に、いかに良い菌のバランスを獲得するかが、その後の人生に大きく影響します。子どもの頃に虫歯を作らなければ、大人になってからも菌の観点では虫歯になりにくい環境を作ることができます。

たまに「乳歯は永久歯に生え変わるから、乳歯が虫歯になっても永久歯に影響しない」と信じていらっしゃる方がいますが、残念ながらそれは間違いです。大人になってから善玉菌サプリを購入して一生懸命お口のケアをするより、子どもの頃に善玉菌を摂取していたほうが効果は高いかもしれません。

ちなみに、ノーベル生理学・医学賞を決めるスウェーデンのカロリンスカ医科大学では、小児病棟の患者全員に善玉菌のサプリを使用しています。

善玉菌と悪玉菌のイメージイラスト|全身の健康を左右する「口腔内細菌」とは|歯科医師会田の噛み合わせメディア-カムシル

なお、口腔内細菌叢の変動要因の大きなものとして考えられるのは「食習慣」「住環境」「年齢」です。つまり、遺伝要因よりも環境要因が大きく影響しているのです。

例えば一卵性の双子の口腔内細菌を比べると、同居している時は誰よりもよく似ている口腔内細菌叢を有していますが、離れて暮らすようになるとその類似性がだんだんと低くなることが報告されています。

 

口腔内細菌の種類と特徴をやさしく解説!

1200種以上に及ぶ口腔内細菌ですが、その中でも全身の健康に関わる重要な細菌について説明します。

歯周病を引き起こす3種の細菌〜レッドコンプレックス〜

1ポルフィロモナス・ジンバリス P. gingivalis歯周病菌)

 口腔二大感染症の1つである、歯周病の原因菌として有名な細菌です。菌は歯周病の病巣箇所から分離されます。糖尿病、認知症、心血管病などの全身疾患に関与していると考えられ、実際にこれらの疾患患者において、菌の分離が報告されています。

2トレポネーマ・ディンティコラ T.denticola歯周病菌)
3タネレラ・フォーサイシア T.forsythensis(歯周病菌)

どちらも歯周病菌の原因菌ですが、「1.ポルフィロモナス・ジンバリス P. gingivalis」との共存関係が報告されており、それぞれ単独の状態より、共存している時に高い病原性を示すことが明らかになっています。この3種の菌は「レッドコンプレックス」と呼ばれ、重症な歯周病を引き起こす危険な菌種郡であると言われています。

歯周病がなぜ糖尿病や認知症に影響を与えるのかについては、長年研究されてきました。

“菌の世界”が明らかになるにつれ、お口の中にいる歯周病菌が腸内の菌のバランスを崩し、その結果、体内に炎症が起きやすくなり、あらゆる臓器に悪影響が出ることが判明してきました。

 

虫歯の原因となる細菌

1.ストレプトコッカス・ミュータンス  S. mutans(虫歯菌)

いわゆる「ミュータンス菌」で、虫歯にもっとも関与している細菌と言われています。この菌は、砂糖が含まれた食物から酵素により、粘着性の多糖体(ムタン=グルカン)を作ります。それが歯の表面に付着して、虫歯の発症・進行の最大要因となる「プラーク」になります。

近年では、プラークは「バイオフィルム」と呼ばれ、さまざまな病原性を発揮することが明らかとなりました。糖分がない環境では、歯の表面に付着する能力は、他の歯表面付着連鎖球菌群よりも低いと言われています。

2ストレプトコッカス・ソブリナス(Streptococcus sobrinus

比較的近年に発見された虫歯菌で、酸性の環境下や、酸素や糖がまったくない飢餓状態でも酸を作ることができる強い菌です。ミュータンス菌が歯に付着・定着するための不溶性グルカンを作成し、虫歯を作るバイオフィルムの成熟を手伝っています。

その他にも虫歯には多くの菌が関与するのですが、上記の2つは“悪さをする菌が歯に付着するための、とっかかりを作ってしまう”という点で、一番の原因要素なのです。

甘いグミの画像|全身の健康を左右する「口腔内細菌」とは|歯科医師会田の噛み合わせメディア-カムシル

 

口腔内の“デブ菌”?さまざまな疾患につながる悪玉菌

1プレボテラ Prevotella属(生活習慣病菌)

歯周ポケットや歯面から分離された新種の菌として、1982年に発表されました。口腔、消化管、女性泌尿生殖器にて常在細菌叢を構成しますが、肥満や潰瘍性大腸炎、クローン病、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、ベーチェット病、口腔がんへの関連が示唆されています。

聞き慣れない病名が並んでいるかもしれませんが、これらの病気は身体の炎症から生じます。プレボテラ菌が増殖すると、炎症が起きやすくなる可能性が高まります。

私たちの身体は、炎症が起き続けることで老化します。いつまでも若々しく過ごすためには、プレボテラ菌のコントロールが重要です。

2ケトネラCatonella属(生活習慣病菌)

人間の歯肉溝に発生する菌です。肥満と関連があり“口腔内のデブ菌”と言われています。

痩せにくい方は、もしかしたらこの菌が増えているかもしれません。この対極に、いわゆる“痩せ菌”と言われる「善玉菌」も存在するので、デブ菌を減らしながら痩せ菌を摂取するというダイエット方法もあります。詳しくはページ下部からお問い合わせください。

3カンジダアルビカンス Candida albicans (悪玉カビ)

カンジダ菌は、人間の口や腸をはじめ、皮膚にも生殖器にも一般的に存在する、日和見病原性酵母です。健康な成人の40〜60%の胃腸管と口で検出され、菌のバランスが崩れて増殖すると、身体のありとあらゆるところで悪さをします。

お口の中では虫歯菌、歯周病菌を活発化させます。カンジダ菌には「クオラムセンシング」という特殊な能力が備わっており、周囲の細菌にメッセージを発することで、さらに細菌を集めるのです。この能力により虫歯菌や歯周病菌を集めて、活動の進行を助けているのではないかと考えられています。

さらに注目すべき特徴を挙げると、カンジダ菌は「リーキーガット症候群」と呼ばれる、腸のトラブルを起こします。腸内の菌のバランスを崩して腸の粘膜に炎症を起こし、本来、身体の中には入ってはいけない栄養素以外の異物を、体内に取り込んでしまうというトラブルです。

異物が血液中に入ってくると、身体はそれらと戦うために炎症反応を起こします。血液中での炎症は身体を巡るので、あちこちの臓器に症状を出します。

具体的には下痢、腹痛といったお腹のトラブルや、肌の湿疹やかゆみ、アトピー、各種アレルギー、肥満や糖尿病、うつ病など神経系の問題、免疫バランスが崩れることによる自己免疫疾患など多岐にわたります。

◆カンジダ菌が増えやすい人は?

カンジダ菌は糖分の摂取量が多いと増えやすいので、虫歯予防の観点からも糖分摂取は控えめにしたほうが良いでしょう。その他にも抗生剤の頻繁な使用、ステロイドやピルの内服、発酵食品の過剰な摂取は、カンジダ菌を増やします。“何事もほどほど”が大事です。

腸内にカンジダ菌が多い人ほど、カンジダ菌による低血糖を起こしやすいとされています。血糖値のバランスが崩れるとイライラしたり落ち込んだりと、感情の起伏が激しくなります。

◆歯科治療におけるカンジダ菌対策

一部の歯科医師は歯周病治療の際に、カンジダ菌をはじめとする真菌全般をやっつける抗真菌薬を、積極的に推奨しています。

しかしながら、抗真菌薬はカンジダ菌以外の真菌(酵母)も一気に減らしてしまい、一時的には良くても長期的に菌のバランスを崩す可能性があるので、慎重になるべきだと思います。

なお、ライチとマンゴスチンから分離された人体に無害な酵母「サッカロマイシス・ブラウディ Saccharomyces boulardii 」が、カンジダ菌の増殖だけをうまく抑えてくれることがわかっており、善玉菌のサプリとして世の中に出てきています。

私も歯周病治療の際には、その中の1つを利用して、カンジダ菌のコントロールを行っています。

口腔内をチェックする女性の画像|全身の健康を左右する「口腔内細菌」とは|歯科医師会田の噛み合わせメディア-カムシル

腸内細菌を改善!まず気をつけることは

全身の健康を考える際、腸内細菌叢を整えることと同じくらい、口腔内細菌叢のバランスを整えることも重要です。

口はヒトの身体の“玄関口”です。川でいえば上流に位置しています。上流の環境が、下流である腸に大きく影響するとイメージすると、わかりやすいかもしれません。

お口と全身の健康については、下記もご覧ください。
「お口の問題」と「身体の不調や病気」はつながっている!?|歯科医師会田のカムメディア〜カムシル〜

 

除菌ではなく「菌のバランスをコントロール」する時代に

それでは、口腔内細菌叢のバランスを整える方法をお伝えしていきます。

1.口腔衛生治療

 大前提として、まずは虫歯、歯周病などの治療が第一優先です。虫歯の穴は虫歯を進行させる細菌の溜まり場になっていますし、歯周病が進行している歯ぐきも同様です。過剰に増えて病気の進行を促すような細菌は、物理的に除去します。

その上で大切なのが、菌のバランスのコントールです。今までの歯科は、細菌に対するアプローチとして、いかに細菌を除菌・殺菌するかにフォーカスしてきました。

しかし、除菌には2つの問題がありました。

問題1過度な除菌は、身体を守ってくれる善玉菌まで減らしてしまう

虫歯菌も歯周病菌も、本来誰でも持っている常在菌です。菌のバランスが崩れて、悪さをする菌が過剰に活動することで、虫歯や歯周病が生じます。ですから過度に除菌するのではなく、逆に身体を守ってくれる菌を増やすことで、悪さする菌の活動を抑えることが肝要なのです。

問題2除菌は善玉菌・悪玉菌の“バランス”を変えているわけではない

もしも悪玉菌優位で病気が起きている場合、除菌で菌の数が全体的に減ったとしても、時間とともに元に戻れば病気を繰り返してしまうため、ずっと除菌を続けなければいけないという悪循環に陥ります。

そこで現在、唾液検査によって1人ひとり異なる口腔内細菌のバランスを調べ、その結果をもとに、症状や目的に応じた有益な菌を積極的に摂取する「オーダーメードの口腔衛生治療」が注目されています。

私、歯科医師会田のクリニックでも、原則としてまずは口腔内細菌検査を行い、その患者さんが持っている菌のバランスをチェックします。その上で、抗生物質を使わずに、目的や期待する効果・効能を考えて、「この悪玉菌を抑えるには、この善玉菌」といった具合にオーダーメードで処方します。

2.口呼吸の改善

口呼吸による健康への弊害は、「歯科医師会田のカムメディア〜カムシル〜」でも繰り返しお伝えしていますが、口腔内細菌叢にも大きく悪影響を及ぼします。

口呼吸により口腔内が乾燥することで、細菌バランスは悪化します。噛み合わせや姿勢など口呼吸を引き起こしている原因を改善することが、口腔内細菌叢のバランスコントロールには不可欠です。

3.唾液のコントロール

 口腔内細菌が唾液とともに腸に移行して悪影響を及ぼすことは、先ほど「口腔内細菌の間接的作用」で説明しました。

その唾液には、実は細菌の増殖を防いだり、虫歯や歯周病を防いだりする働きがあります。

唾液をしっかりと出すことが、口腔内細菌叢のバランスを整える最高の方法とも言えます。唾液の量を増やすコツは「しっかりと噛む」ことです。丸飲みや早食いをやめ、一口30回を意識して、よく噛んで食事をしてみてください。

4.日常的なケア

毎日の歯磨きや歯科医院での定期的なクリーニングは、とても有効です。

歯磨きの際は、歯磨き粉やマウスウォッシュの選び方がポイントになります。歯磨き粉は「顆粒」タイプに注意してください。歯周ポケットに顆粒が残り、歯肉の炎症につながることがあるためです。商品裏面の注意事項に「インプラント治療をされている方はご注意ください」と書いてあるものは、顆粒が残る可能性が高いです。

また、発泡剤である合成界面活性剤の「ラウリル硫酸ナトリウム」は粘膜への刺激が強く、舌の味蕾(味を感じる部分)への悪影響も考えられるので、入っていないほうが好ましいです。

歯磨き粉やマウスウォッシュは毎日使用するものなので、なるべく天然由来の成分のものを使用することをおすすめします。

私、歯科医師会田も、天然成分だけで作られた歯磨き粉「バイオペースト」を家族で使用しています。食品レベルで安全性が担保されつつ、口腔内細菌のバランスを整えてくれる商品です。

その他、抗菌作用が強いうがい薬を使いすぎると、口腔内細菌叢のバランスを崩す原因になるので、あまり好ましくありません。なぜなら、抗菌作用悪さをする菌にのみに都合よく効くものではなく、虫歯や歯周病の進行を抑えてくれる菌まで減らしてしまうためです。

バイオペーストの画像|全身の健康を左右する「口腔内細菌」とは|歯科医師会田の噛み合わせメディア-カムシル

5.生活習慣の改善

 甘いもの、特に砂糖の過剰摂取は、口腔内細菌叢の変動につながります。カンジダ菌や虫歯の発端になるミュータンス菌のエサは、砂糖です。肉メインの食事も、悪玉菌を増やすことがわかっています。良質な発酵食品や野菜多めの食事が、口腔内細菌叢にも良い影響をもたらします。

 

「口腔内細菌検査」で日々の健康をチェック!

菌のバランスを上手にコントロールできれば、人間が本来持ち合わせている免疫力や抵抗力を取り戻すことができて、病気の予防に有効であるーー。

そんな思いを伝えたく、今回は「口腔細菌」にフォーカスしてお話ししましたが、いかがでしたか?

菌の世界はまだ未知の部分が多く、研究が深められています。私、歯科医師会田のクリニックでは、これまで腸内・口腔内の細菌に着目したアプローチを展開し、多くの患者さんの症状改善を目の当たりにしてきました。

歯科医師会田の画像|全身の健康を左右する「口腔内細菌」とは|歯科医師会田の噛み合わせメディア-カムシル

人体と菌の結びつきはとても深いため、菌を排除するだけでなく、それらがもたらす恩恵に着目した治療を心がけています。「虫歯・歯周病を根本から予防したい」「全身疾患の原因に、口の中の菌が関係しているかも」と思う方は、まずはご自身の口腔内の菌のバランスを調べてみませんか。

口腔内細菌検査(口内フローラ検査)は唾液を採取するだけなので簡単ですし、調べるだけなら遠隔診療(オンライン診療)でも可能です。腸内細菌検査(腸内フローラ検査)に比べるとまだマイナーではありますが、腸の検査ほど時間と費用がかからない点がメリットであり、歯科検診のついでに行なえる手軽さがあります。

なかなか治らないお口の病気や、お腹・肌の不調の原因が、実はお口の菌であるケースはとても多いです。

「口腔内細菌の検査が気になる」「虫歯や歯周病の治療をしたい」といったお悩みは、公式LINEへお気軽にご相談ください。

 

下記のページもご覧ください。
「お口の問題」と「身体の不調や病気」はつながっている!?|歯科医師会田のカムメディア〜カムシル〜
「噛み合わせ」と「歯周病」の密接な関係|歯科医師会田の噛み合わせメディア〜カムシル〜

 

歯科医師 会田光一