後悔する前に見てほしい! やらなきゃよかったインプラント治療

  • 2025.09.29
  • 歯の不調を治したい

1. はじめに

こんにちは!歯科医師の会田です。

「歯を失ったらインプラント治療が現代の第一選択だよ」――こんな話を聞いて、すぐに治療を決断した方も多いのではないでしょうか。インプラントは確かに優れた治療法です。しかし、「やらなきゃよかった」と後悔するケースが後を絶ちません。
私なりに、患者様の話を聞いたり見たりしていると、その原因の多くは古い常識に基づいた無理な処置によるものかと思われます。

この記事では、「サイナスリフト」や「GBR(骨造成)」など従来からよく行われる大掛かりな外科処置が本当に必要なのか?という疑問に切り込みます。そして、最新のインプラント治療法が、どれだけ身体にやさしく、シンプルで、患者の負担を減らせるのかを紹介します。

 

2. インプラント治療の落とし穴

インプラントはチタン製の人工歯根を顎の骨に埋め込む治療で、審美性・耐久性に優れた治療法として知られています。しかし、その一方で、

  • 手術が複数回必要になる
  • 治療期間が1年以上かかる
  • 腫れ・痛み・出血などの術後合併症が起きる
  • 予想外に高額な治療費になる

などのリスクも存在します。

このようなケースの多くで行われているのが、「サイナスリフト」や「GBR(骨誘導再生療法)」といった骨造成手術です。

シンプルなインプラント治療と骨造成を併用したインプラント治療では、手術の回数・期間・身体への負担・費用といった上記の問題が全く異なってきます。

 

3. サイナスリフトのリスクとは?

特に上顎のインプラントでは、「上顎洞」という空洞の存在により、骨の高さが足りないことがよくあります。これを補うために行われるのがサイナスリフト(上顎洞挙上術)です。

この処置では、骨補填剤を用いて人工的に骨の高さを作り出し、インプラントを支えるための土台を作ります。しかしこの手術は、

  • 術中・術後の痛み・腫れ・内出血が強い
  • 上顎洞炎や感染症のリスクがある
  • 治癒まで半年〜1年以上かかることもある
  • 複数回の手術が必要となる

といった高リスク・長期間・高コストの三重苦を抱える処置です。

しかしながら、昔からこの処置はやらざるを得ないと考えている先生が多いので今でも一般的に行われています。
患者様は、このような処置を受けた結果「インプラント治療はとっても苦労した」「大変な治療だった」といったイメージを抱くことが多いのです。

 

4. 令和の新常識:ドリリングアプローチ

ところが、今の時代は違います。

最新のインプラント技術では、サイナスリフトを回避し、インプラントが入るスペースを作りながら上顎洞の膜を優しく持ち上げる技術が確立されています。特別なドリルと術式を用いることで、骨補填剤や人工材料を使わず、患者自身の骨を圧縮・活性化させながら埋入することができるのです。

この方法のメリットは非常に大きく、

  • 手術は1回のみ
  • 腫れ・痛みが少ない
  • 治療期間がわずか3ヶ月以内になることも
  • 偶発症のリスクを大幅に軽減

と、まさに患者に優しい低侵襲インプラント治療が可能になっています。

骨補填剤や人工材料は感染に弱いという弱点を持っており、もし術後に化膿してしまうと造成部位の骨がごっそりなくなってしまうという失敗リスクもあるのですがドリリングアプローチでは異物を使わないためそんな心配がありません。

このような術式を引き出しに持っている先生に出会えるかどうかでインプラント治療のイメージは大きく変わってしまうのです。

 

5. GBR(骨造成)も本当に必要?

また、下顎や前歯部などで骨の幅が足りない場合にも、「GBR(骨誘導再生療法)」という処置が提案されることがあります。これは、メンブレン(人工膜)や骨補填剤を使って骨の再生を促す方法です。

しかし、これもまた腫れ・感染・拒絶反応・長期治癒といったリスクがあるうえ、手術費用が10万〜30万円以上増加する場合もあります。

 

6. その骨欠損、放置が原因かもしれません

多くの方が見落としがちなのが、抜歯からインプラントまでのタイミングです。

一般的なクリニックでは、抜歯後に数ヶ月〜半年以上も放置するケースが多くあります。すると骨は自然と痩せていき、結果として「骨が足りないからGBRが必要」という流れになってしまうのです。

しかし、抜歯即時インプラントという手法を用いれば、骨の欠損を最小限に抑え、余計な骨造成を回避することが可能になります。さらにこの方法は、

  • 治療回数が減る
  • 手術の侵襲が少ない
  • 結果として治療費が抑えられる

という点でも優れています。

また、痩せてしまった骨であっても、GBRせずに既存の骨をゆっくり押し広げるようにしながらインプラントを入れる技術もあります。

過去に抜歯してから放置してしまった場合でも、難しい処置を回避してインプラントが行える可能性はあります。

 

7. 時代は進んでいる。治療法も進化している

今でも多くの歯科医院では、「骨が少ないから骨を作りましょう」「まずサイナスリフトですね」という昭和・平成の常識で話が進んでいきます。

しかし、インプラント治療は進化しづけており、新しい治療法も十分な科学的根拠を得るだけの時間が経過しました。決して、ポッと出の目新しさだけの手法ではありません。

高額で痛くて長い治療は、もはや過去の話になりつつあります。

最新の技術を取り入れている医院では、身体にやさしい・短期間・低侵襲なインプラント治療が可能です。

 

8. 結論:そのやらなきゃよかったは、古い常識のせい

インプラント治療そのものが悪いのではありません。問題は、医者側が困らないという理由で治療方法がアップデートされずにいる医院が多いことです。

  • 無駄に骨を作る
  • 無理に長いインプラントを入れる
  • 抜歯後に放置して骨が減ってから治療を始める

こういった旧来のアプローチは、もはや必要ありません。最新の知識と技術に基づいた選択をすれば、「やらなきゃよかった」と後悔する患者様は減るはずです。

 

9. おわりに

インプラント治療を検討中の方、あるいはすでに治療計画を提示されている方へ。その治療、本当に必要ですか?
もし不安や疑問があるなら、一度セカンドオピニオンを受けてみてください。無駄な外科処置を避け、あなたにとって最も負担の少ない治療法を選ぶために――。

私もインプラント治療に関するセカンドオピニオンを随時受け付けております。
お気軽にご相談ください。あなたの口元と人生に、後悔のない選択を。

 

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